チェンマイ情報 タイ北部での特殊事情と習慣
(1)タイ国民の王室に対する尊敬の念は極めて強いものがあるが,タイ北部においても同じであり,国王陛下,王妃陛下を始めとする王族の写真は家庭や商店などいたるところに掲げられており,映画館,劇場では開演時や終了時に,国王陛下の写真を映し,国王讃歌が奏せられる。この際観衆は讃歌の吹奏が終了するまで全員起立することになっている。
(2)チェンマイ市には数多くの寺院がある。また,商売繁盛,敷地内の安全を祈願し,多くの家庭や商店,事務所,ビルなどでは,仏壇や祭壇を設けている。数多くの厳しい戒律の中で修業を行っている僧侶に対する尊敬の念も深い。これらは市民の仏教に対する信仰心が,極めて強いことを物語っている。お寺参りの際には身だしなみに気をつけ,住民からひんしゅくをかうことのないように充分注意するべきである。また,南方上座部仏教(小乗仏教)の教義にのっとり,女性は僧侶に触れてはいけないことになっている。女性が路上で僧侶と行きあう場合には,自分の方が身を引いて,僧侶に触れないようにし,乗物に僧侶が乗っている場合には,その座席に近づかないようにする。寺院で金銭を喜捨する場合には,僧侶に直接手渡すのではなく,備えつけの箱に入れるようにする。また,僧侶に無遠慮にカメラを向けることは慎んだ方がよい。
(3)タイ人は一般的に礼儀正しい国民である。目上の人の前で足を組むようなことはしない。椅子に座っても,股を開いてふんぞりかえるような姿勢は好ましくないとされている。また,時折外国人は足で方向を示したり,指示することがあるが,タイでは,足の裏は人体で不浄な部分とされているため,かかる行為はタイ人にとってひどい侮蔑ととられるので注意を要する。
(4)タイには伝統的な精霊(ピー)の信仰があり,精霊の宿るとされる頭部は人体の内最も尊いものとされている。日本的な感覚で可愛い子などといってむやみに子どもの頭をなでたりすることは差し控えた方が無難である。