海外安全対策情報(2023年(10月-12月))
令和6年1月10日
1 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)タイ内政に関し、昨年9月に発足したセター新政権は、従来反軍部の姿勢をとっていた タイ貢献党が親軍政党と連立を組むこととなったため、親軍政党とタイ貢献党が連立を組むことに反対するタイ貢献党支持者による大規模な政治集会やデモが起きることが一時懸念されましたが、かかる集会等は起きませんでした。また、下院第一党でありながら野党となった前進党も、当面は大規模な政治集会等を行う姿勢を見せていないため、現在は一時期に比べて治安状況に影響を与えるような大規模な政治集会やデモなどが起きる可能性は低い状態です。しかしながら、1月中に出される予定となっている憲法裁判所の判決の内容によっては、前進党が解党となる可能性があるため、引き続き状況を注視していく必要があります。(2)タイ警察の犯罪統計によると、当館が管轄するタイ北部9県(2023年1月~12月)における凶悪犯罪の検挙状況(人員)については、殺人事件が150人(前年同期比:-21人)、強盗事件が3,924人(前年同期比:+23人)、強姦事件が110人(前年同期比:-34人)、銃器事件が5,838人(前年同期比:-6,258人)、薬物事件が35,898人(前年同期比:-3,305人)でした。全体的に減少傾向にはあるものの、凶悪犯罪は依然として高水準で推移しています。
(3)タイ北部には、かつて薬物がまん延していた地域として有名な、タイ・ミャンマー・ラオス3ヶ国が国境を接する「ゴールデン・トライアングル」が所在し、現在も薬物中毒者による犯罪が多く発生しています。また、国境に接している等の事由もあり、けん銃等の銃器が比較的容易に入手できる情勢にあるため、銃器犯罪の発生が多いのも特徴です。
2 各種犯罪等の認知、発生状況【タイ北部(9県):2023年1月~12月】
(1)殺人・強盗
邦人にかかる殺人・強盗事件は認知していません。(2)強姦・暴行・傷害
邦人にかかる強姦・暴行・傷害事件は認知していません。(3)誘拐
邦人の安全に密接に関わる事件は認知していません。(4)窃盗
邦人にかかる窃盗事件を1件認知しました。(9月)3 テロ・爆弾事件
テロ事件等の発生は認知していません。4 対日感情
タイ北部における対日感情は良好であり、また、組織的に我が国を標的にした活動をする団体は認知していません。5 日本企業の安全に関する諸問題
当該期間中における関連情報はありません。