海外安全対策情報(2023年(7月-9月))

令和5年10月11日

1 治安情勢及び一般犯罪の傾向

(1)9月5日にセター・タウィーシン首相及び閣僚が国王へ拝謁を行い、新政権が正 式に発足しました。新政権の中核の一端を担うのはタイ貢献党ですが、同党は従来から反軍部の姿勢をとってきました。ところが、今般の政権樹立にあたってタイ貢献党が親軍政党と連立を組むこととなったため、政権発足直後の段階では、これに反対するタイ貢献党支持者が大規模な政治集会やデモを起こすことが懸念されましたが、かかる集会等は結局起きませんでした。従って、現在は一時期に比べて治安状況に影響を与えるような政治集会やデモなどが起きる可能性は低くなりましたが、引き続き状況を注視していく必要があります。

(2)タイ警察の犯罪統計によると、当館が管轄するタイ北部9県(2023年1月~9月)における凶悪犯罪の検挙状況(人員)については、殺人事件が111人(前年同期比:-4人)、強盗事件が2,889人(前年同期比:-115人)、強姦事件が84人(前年同期比:-27人)、銃器事件が4,240人(前年同期比:-4,019人)、薬物事件が26,602人(前年同期比:-3,305人)でした。全体的に減少傾向にはあるものの、凶悪犯罪は依然として高水準で推移しています。

(3)タイ北部には、かつて薬物がまん延していた地域として有名な、タイ・ミャンマー・ラオス3ヶ国が国境を接する「ゴールデン・トライアングル」が所在し、現在も薬物中毒者による犯罪が多く発生しています。また、国境に接している等の事由もあり、けん銃等の銃器が比較的容易に入手できる情勢にあるため、銃器犯罪の発生が多いのも特徴です。
 

2 各種犯罪等の認知、発生状況【タイ北部(9県):2023年1月~9月】

(1)殺人・強盗

   邦人にかかる殺人・強盗事件は認知していません。

(2)強姦・暴行・傷害

   邦人にかかる強姦・暴行・傷害事件は認知していません。

(3)誘拐

   邦人の安全に密接に関わる事件は認知していません。

(4)窃盗

   邦人にかかる窃盗事件を1件認知しました。(9月)
 

3 テロ・爆弾事件

テロ事件等の発生は認知していません。
 

4 対日感情

タイ北部における対日感情は良好であり、また、組織的に我が国を標的にした活動をする団体は認知していません。
 

5 日本企業の安全に関する諸問題


当該期間中における関連情報はありません。