海外安全対策情報(2023年(4月-6月))
令和5年7月11日
1 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)タイ内政に関し、下院総選挙が実施され1か月半以上が経過しましたが、未だ首相は任 命されておらず、また、下院議長が与党の国民国家党から選出されましたが、下院第1党の前進党と第2党のタイ貢献党の主張が平行線を辿った上での妥協案としての人選となりました。したがって、前進党主導の8党内部の結束を今後も保つことができるかが注目されます。7月13日に、国会における首班指名選挙が行われる予定で、仮に、ピタ-前進党党首が首相に選出されない結果となり、首相が迅速に選出されない事態が現出する場合は、内政の不確実性が高い状況が継続することとなります。
そのため、今後チェンマイ等で政治集会やデモが開かれる可能性があり、従来以上に状況を注視していく必要があります。
(2)タイ警察の犯罪統計によると、当館が管轄するタイ北部9県(2023年1月~6月)における凶悪犯罪の検挙状況(人員)については、殺人事件が81人(前年同期比:±0人)、強盗事件が1,775人(前年同期比:-115人)、強姦事件が56人(前年同期比:-34人)、銃器事件が3,483人(前年同期比:-1,606人)、薬物事件が18,318人(前年同期比:-844人)でした。全体的に減少傾向にはあるものの、凶悪犯罪は依然として高水準で推移しています。
(3)タイ北部には、かつて薬物がまん延していた地域として有名な、タイ・ミャンマー・ラオス3ヶ国が国境を接する「ゴールデン・トライアングル」が所在し、現在も薬物中毒者による犯罪が多く発生しています。また、国境に接している等の事由もあり、けん銃等の銃器が比較的容易に入手できる情勢にあるため、銃器犯罪の発生が多いのも特徴です。
2 各種犯罪等の認知、発生状況【タイ北部(9県):2023年1月~6月】
(1)殺人・強盗
邦人にかかる殺人・強盗事件は認知していません。(2)強姦・暴行・傷害
邦人にかかる強姦・暴行・傷害事件は認知していません。(3)誘拐
邦人の安全に密接に関わる事件は認知していません。(4)窃盗
邦人被害にかかる窃盗事件は認知していません。3 テロ・爆弾事件
テロ事件等の発生は認知していません。4 対日感情
タイ北部における対日感情は良好であり、また、組織的に我が国を標的にした活動をする団体は認知していません。5 日本企業の安全に関する諸問題
当該期間中における関連情報はありません。