草の根・人間の安全保障無償資金協力
日本政府,チェンマイ県ムアン郡ミャンマー少数民族のための校舎建設を支援
日本政府は,草の根・人間の安全保障無償資金協力により,「チェンマイ県ムアン郡ミャンマー少数民族のための校舎建設計画」にかかる総額3,707,000バーツの支援を行いました。平成26年11月26日,ワット・パーパオ寺院において,小学校(幼稚部併設)と成人学校の新校舎開所式が開催され、藤井昭彦 在チェンマイ日本国総領事とワット・パーパオ教育芸術文化振興財団のプラクルー・アモーンウィーラクン理事長、チュムポン チェンマイ県第1地区初等教育事務所長、ニティトーン・テープテーウィン ムアン郡制度外・任意教育事務所長らが出席しました。
タイ北部在住の少数民族シャン族の多くは,ミャンマー国内での様々な迫害等の脅威から逃れて流入した避難民で,彼らの多くは,シャン語と同系のタイ語でのコミュニケーションが可能なことから農業・建設業・製造業・サービス業等労働者等として生計を立てていますが,劣悪な生活・労働環境におかれてきました。他方,タイ政府は深刻な単純労働者不足への対応や,ミャンマー民主化の開始を受けた両国関係の好転を背景として,ミャンマー少数民族避難民・移民労働者に対し,労働面,教育面,厚生面等での生活向上に取り組んでいます。
ワット・パーパオ寺院は,約400年前にシャン族がチェンマイ市内に建設し,タイ北部におけるシャン族の宗教・伝統文化維持の中心的な役割を果たしており,1997年に「ワット・パーパオ教育芸術文化振興財団」を設立して,教育省の認可を得て敷地内にシャン族避難民を対象とした小学校(幼稚部併設)と成人学校を開設し,シャン族避難民児童・成人の就学を受け入れるとともに,総合学習等の時間を利用してシャン語・シャン伝統文化継承を図ってきました。
今般,日本政府は,同財団からの要請を受け,就学希望者の増加による教室不足解決のための新校舎建設費用を支援し、3階建て新校舎が完成しました。
この支援によって,シャン族避難民への基礎教育の推進及び本国の現状に対する理解,市民としての能力強化を促進し,将来,帰還者が地域開発において指導的役割を担うこと,また,長期的にはミャンマーの社会の安定化の一助となること,さらに,シャン族避難民とタイ人との共存関係構築や都市部コミュニティの安定,福祉の向上に繋がることも期待されます。
日本政府としましては,今後とも草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて,ミャンマー少数民族の福祉向上支援を含む人間の安全保障のための取り組みを支援していく方針です。
[お問い合わせ先]
在チェンマイ日本国総領事館
Tel: 053-203-367(代表) Fax: 053-203-373 Email: ggp@tm.mofa.go.jp